MUKUに
ついて

私は、「心を整え、相手と共鳴することで創られる、
自分も相手も大切にできるあたたかい世界を
届けたい」と願っています。

パン作りを通して、素材と丁寧に向き合い、
自分自身の心を整えながら、
相手の人生にもそっと寄り添うような教室。

食べた人がホロリと涙をこぼすような、
一口で「幸せ」と感じられるパンを
届けたいのです。

そこには、自分も相手も大切にできる、
あたたかくて安心できる場所が広がっているはず。

なぜその様な場所を創りたいと思ったかというと、
それは、とあるお店へ行ったことがきっかけでした。

その場所で感じた、言葉では表現できないほどのあたたかい感覚。
入った瞬間に感じた心地よさ。とても空気の澄んだ、整った空間でした。

ゆっくりと丁寧に運ばれてくるお料理。
一つ一つのお料理には丁寧な説明があり、作り手の想いを感じることができました。
これ程までに、時間をかけて丁寧に作るお料理をいただくのは始めてでした。

一口食べる毎にからだは喜び感動している私がいました。
綺麗とか美味しいなど一言では表現しきれません。味は優しく、どのお料理を口にしてもからだにすーっと入っていく感覚でした。

そこで働いている人もとてもあたたかくて、お料理が本当に美味しすぎて、すぐに家族に食べてもらいたいと思った程です。

優しい味の中に、食べた人の人生が変わるくらいエネルギーをもっているのではないかと感じました。
きっとそれは、作る人たちが、素材そのものの命に感謝し、素材や道具を丁寧に扱い、お客様に最高のお料理を届けようという気持ちで、調理することと向き合っているからだと思います。
美味しいという言葉だけでは表現しきれない、自分のからだが緩んで喜んでいる感覚になりました。

心地よいと感じた理由のもう一つは、お客様が何に興味があって何を望んでいるかを会話の中から紐解き瞬時に行動されるところ。
私がお料理の作り方に興味を持っていることを察してくださり、仕込みのところから丁寧に説明をしてくれました。
ごま豆腐のごまの皮を手でむく・・・えっ!そんなに丁寧に扱うの?話を聞いた時に、驚きすぎて、何をいっているのかわからなかったほどです。何日も何日もかけて一つのお料理を作り上げる。
一口食べたときにとろけるそのごま豆腐は、今まで口にしたことのない滑らかさと、鼻からふーっと抜ける香りで、とても優しい味に仕上がっていました。
最高のものを作る為に、きっと幾度となく試作を繰り返し作られた一品ということを感じるお品でした。

心もからだも喜ぶ感覚ってこれだ!こんなにあたたかく感じる場所ってあるのだと感じたのです。

私の教室へ通ってきている生徒さんにもこの感覚をお伝えしたい!
このお食事場所へ行った時の体験がきっかけで、私もこの様な世界を自分自身で創っていきたいと思うようになりました。

生徒さんの思っていること考えていることに、寄り添えていたかというと、良い事だけをみて、より深い所で考えていることまで伺うことは出来ていなかったのかもしれません。
お一人お一人と、もっともっと、お話をしてその方の目指したいところを知り、そこへ行くにはどう寄り添えたかを考えればよかったと今思います。
楽しんでもらうお教室をしていたので、生徒さんの作ってみたいパンを毎月リクエストに応えてレッスンをしていました。系統立ててカリキュラムがあったわけではないので、学びたかった生徒さんにとっては、物足りないレッスンだったに違いありません。

本当に見た目だけではない美味しいものを作るとは、簡単ではないんだと、本物に触れて初めて感じ、過去の自分を振り返ることができました。

場を整え、素材と真剣に向き合うだけで、真のパンを作ることが出来るのか・・・
こんなパンが焼きたい!と思うけれど、なかなか思うようにいかない。

それは、「自分の心と向き合うことを避けていた」という、私の課題が原因です。

かつての私は「技術」や「素材の選び方」にばかり意識が向いていました
無添加素材を使い、師匠から教わった通りのレシピを守りながらレッスンを行っていましたが、それだけでは理想のパンは焼けないことに気づいた出来事がありました。

ある日、焦ってジャガイモのパンを焼きました。驚くほど味が抜け、まるで私の心をそのまま映したようでした。
その日は、午後から予定があり時間に追われていたのでイライラしながら、急いで時間内に焼けるように作業を進めました。
最後の仕上げの発酵も、後10分くらい、本当は置いてから焼きたいけれど、気持ちが焦り、時間に追われていたので、自分の都合を優先して、生地を見ることも、生地を触ることも、生地と向き合うこともせず焼いた結果がこれです。

本当に、まずいパンを焼きました。酵母や菌は繊細です。

心が整っていないと、酵母や菌は応えてくれません。
パン作りに心が反映されることを本当の意味で理解していませんでした。

私は、忙しさや焦りの中で、感情を置き去りにして行動してしまう癖があります。
感情を表現するのが苦手で、傷つかないように無意識に自分を守っていたのです。
思ったことや感情に触れたことを言わず、波風立てずいい人でいるのが楽だからです。

感情を表に出さず、淡々としていても、自分の内側は乱れていきます。
そうすると、パンにも人にも伝わってしまうという大切なことに、目を背けていたのだと思います。

このまま「技術」だけを磨き、「心」と向き合わずに進んでしまったら・・・

感情を置き去りにすることで、自分の中で消化しきれないマイナスの気持ちが膨らみます。その気持ちは、時にあふれ出し、近しい人たちを言葉で傷つけてしまうのです。

パンを教える立場であるにも関わらず、自分と向き合うことを怠れば、結果的に誰の人生にも温もりを届けることができなくなってしまうのです。

そんな私が見つけた、理想へ向かうための鍵。
それが「心を整える」というシンプルだけれどとても大切な習慣でした。

丁寧に掃除をし、場を整えること

場が整うと目から余計なものが入ってこないので、頭がすっきりとします。空気が凛とし、場が整うと心を開放しやすくなります。そして集中力が上がります。

食材や道具を丁寧に扱うこと

食材、道具、全ての物に命があるかのように扱うと、食材などと自分の心が呼応して食材や道具や家からも応援される気がします。
実際に食材を丁寧に扱うことで、自分の創りたい味に近づきます。

自分の身体が喜ぶ無添加素材を選ぶこと

敏感に、五感で感じられるようになる為に、自分のからだが喜ぶ素材を選びます。

十分な睡眠と、体をほぐす時間をとること

ほぐすことで血流を良くし、しっかり休むことでエネルギーをチャージします。

これらすべてが、自分を大切にすることに繋がっています
そして、それがパンの味に、空間に、生徒さんとの関係にすべて現れてくるのです。

今は、少しづつ変化しているのを感じています。

以前に比べて私は、キッチン周りを整えていったことで、その部屋の空気感が変わりました。
入るとスッと背筋が伸びる感覚。私のエネルギーがスッと上がる瞬間です。
気持ちのいい場所で仕込みをすると、とても集中できます。この感覚を、生徒さんにも感じてもらえるように場を整えます。
先日初めてレッスンにいらした生徒さんに、玄関に入った時から、
「うわぁ・・・綺麗に整っていますね」とレッスン中、色々な場面で言っていただきました。大事なレッスンの時間に集中して頂けるように、これからも場を整えていきます。

また、今でも、甘いものは好きですが、味覚の変化がありました。
砂糖が沢山入った生地そのものが甘いパンが苦手になり、今まで美味しいと思えていたパンがなぜか「食べたくない」と思うようになりました。
添加物や甘味に対して更に敏感に感じとる様になりました。今は、生地そのものに旨味と香りがある物を好み、フィリングを厳選して作っています。
きっと、少しずつ整ってきたことで、自分にとって本当に必要な物を選べるようになってきたと感じています。

更に、心の変化は、以前に比べて周りの人たちの変化に気付けるようになり、生徒さんとより深くお話出来るようになりました。
生徒さんは以前に比べて、自分で復習するときに、生地が乾燥しているなどの小さな変化にも気づけるようになり、私との質問のやり取りから、ご自分で答えを導き出せるようになってきました。
失敗しても次へ繋がる通過点として楽しみながら進んでいます。

最後になりますが、もし、「心を整えること」からパン作りを始める人が増えたら、自分を大切に出来るようになり更には相手を想い行動できる人が増えることで、世界はもっとあたたかくなると思うのです。

パン作りを通して、自分と向き合い、
感情を解放し、他者に寄り添えるようになる。

パンがただの食べ物ではなく、

心と心を繋ぐ“場”となる。

そんな教室が増えたら、家族の中でも、地域の中でも、心の循環が生まれていく。
そして、誰かの「人生が変わる瞬間」を、そっと支えるパンが広がっていく。
それが、私の目指す“あたたかいセカイ”です。